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2008.03.09 (Sun)

はさみのこと  About Scirrosrs・・・

2008年3月ブログ 032


以前にも紹介したことのあるはさみのことです。
15年ほど前、ぼろぼろの革のケースに入ったはさみを祖母から貰い受けました。
小さい頃から「なんて汚いケースなんだろう・・・」と知っているものでしたが、
そのはさみが80数年前にドイツに留学していた明治生まれの祖父のものだということ、
そして刃物で有名なSolingenHenckel社のものだということは、その時初めて知りました。

医師をしていた祖父は留学先で、日本のものとは違う洋鋏を、美しいと思ってもとめたのでしょうか。
医療用のはさみではないので、祖母へのお土産だったのかもしれません。

そんな思い入れのある品物でしたが、あまりに状態が悪く、修理してもらおうと
日本の代理店に電話で問い合わせたところ、「できません」の一点張り。
ならば・・・!となんとか調べてドイツの本社に手紙とはさみのカラーコピーを送ってみました。

何かしら返事がくることを祈りながら、でも駄目でもともと・・・と自分であきらめようとしていた矢先、
返事が来たのです。しかも社長直々に・・・!

「おじい様の思い出の品を、私どものクラフトマンが必ずや元通りにしてみせますから
すぐにドイツに送ってください。」という心強い言葉と一緒に。


2008年3月ブログ 037


一ヶ月ほど過ぎたでしょうか、小包が送られてきました。
修理の行程がわかるように、それぞれ3枚の写真が同封されていました。
↑左から、錆び付いていた元の状態、中はねじをはずし、錆を落とした状態、右が磨きをかけ、
金メッキをほどこしたもの。

2008年3月ブログ 036


こちらも同様です。 始めはHenckelの文字もほとんど見えなかったものがきれいに
磨かれ、新品同様になって帰ってきました。

2008年3月ブログ 041


小包には請求書がはいっていなかったので、その旨、手紙を出したところ、先方からの返事がまた
私を感激させてくれました。

「おじい様は私共の古いお客様です。このはさみはそのおじい様からあなたの手に渡ったもの。
お代をいただくわけには参りません。 これからも末永く大事にお使いください。
それが私共の喜びです。」

古いものですが、棚に飾るのでなく実用に使う主義なので、それから毎日のように
このはさみたちは活躍してくれています。ぼろぼろだったケースはそのまま引き出しにしまい、
敬意を表してカルトナージュでケースを作り変えました。

ドイツのクラフトマンシップ、マイスターのプライドが、時間も、距離も遠く離れた私の手元で
今日も息づいています。

タグ : はさみ Solingen Henckel マイスター

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*Comment

♪くるみん様

くるみんさんにそう言っていただけて嬉しいです。

おっしゃる通り、古いものはその価値だけでなく、受け継いでゆく楽しみと言うか、心の豊かさを味わえますね。

当時は、まだネット環境がなかったので、それこそ、ドイツ本社の住所を調べるのにも時間がかかりました。
今は便利です。でもその便利さに流されずに時々、立ち止まる余裕を持って
いたいと思います。

また、遊びにきてくださいねe-266
なのたん |  2008.03.11(火) 07:51 |  URL |  【コメント編集】

♪K*さま

遊びに来てくださったんですね。嬉しいですv-22

本当はこのはさみケースも本皮で作りたかったのですが、
革の調達と技術力不足で、OKADAYAで買った合皮になってしまいました。

こちらこそ、これからも情報交換させてください。
よろしくお願いいたしますv-353
なのたん |  2008.03.11(火) 07:47 |  URL |  【コメント編集】

♪にこちゃん様

コメントありがとうございますe-68

タッセル、ぜひお作りになったら投稿なさってくださいね!
はさみも、いろいろ探し始めると楽しいですよね。
手芸もまずは道具がステキだと、なんだか腕が上がるような気がしませんか?(私だけかな?)

にこちゃんさんが素敵なはさみと出会えますように・・・e-266

なのたん |  2008.03.11(火) 07:43 |  URL |  【コメント編集】

あわわ、目頭が熱くなってしまいました。なんてすばらしい精神を持った会社なのでしょう。なのたんさんも、一生懸命調べてお手紙を送ったかいがありましたね。
 古いものには、作った人の思い、買った人の思い、使った人の思い、経過した年月などが重なり合って、特別なものを感じますが、今回はここに、それを受け継いだ人の思い、修理を請け負った会社やマイスターの思いなどが、新たに加わり、このはさみはいっそう輝いてみえます。幸せなはさみ。
 私も日々、身の回りの物を大切にしていこうと思いました。
くるみん |  2008.03.11(火) 02:06 |  URL |  【コメント編集】

♪胸が熱くなりました。

感動的なお話で胸が熱くなりました。
ドイツのクラフトマンの心意気に答えて、素敵なカルトナージュのはさみいれを作られたエピソードも、真心のやりとりが美しいです。

早々のご訪問ありがとうございました。
これからもいろいろな情報交換が出来たらうれしいです。
よろしくお願いします。
K* |  2008.03.11(火) 00:54 |  URL |  【コメント編集】

こんにちは!
yukiさんから紹介されて簡単タッセルをみて早速作ろう!!と決心したにこちゃんです。

しかしなのたんさんもyukiさんも素敵なハサミにつけているなあうーん私も欲しいぞ!と思い13日には購入するぞ!!と張り切ってyukiさんに報告した所是非この記事も読んでみてくださいとの事。

感動しました。私も始めて旅行でドイツに行った時のなぜか安心する感じ。日本人よりも生真面目な感じがとても印象に残りました。マイスター流石です。

しかもドイツはビールもワインも美味しいのですよね。(話がそれてしまった。)

あのタッセルをハサミにつけます。出来たら報告します。

にこちゃん |  2008.03.10(月) 21:56 |  URL |  【コメント編集】

♪ぷくぷく様

嬉しいコメントありがとうございます。

完璧なものよりも、ちょっと欠点のあるものに愛着を覚えてしまう性格のせいか、 このはさみたちも、「なんとかしてあげなくちゃ!」と義務感で
直していただいたのかも・・・。

何にせよ、昔の人は物を大事にしていましたよね。
本当に、見習いたいです。
なのたん |  2008.03.10(月) 12:47 |  URL |  【コメント編集】

♪子ウサギ様

コメントありがとうございます。

・・・私でなくても、きっとあのぼろぼろのはさみを見たら、
何かしなくては・・・!と思われたはず・・・。それくらい錆びていました。

でも、人間ってすごいです!
それを新品同様に磨き上げる技術があるんですよ。

だからなんとなく100円ショップのプラスティック製品がかわいそうに見えてしまうのは私だけ・・・?
なのたん |  2008.03.10(月) 12:45 |  URL |  【コメント編集】

♪もったいないかあさんへ

早速、和菓子の焼き型、拝見しました。
私も祖父の生前を知らないので、もったいないかあさんのお話を自分と
重ねて拝見しました。

確かに戦火を潜り抜けてきたものは、それだけで生命力があるというか、
意味があるように思えます。昔の人が作ったたくさんの物が戦争で
失われ、その後、経済の急成長とともに、忘れ去られてしまっているのは
本当に残念です。

何事もスピードを求めると、足元の大切な何かを見失ってしまいますね。

はさみのことを書いているときは、ここまで考えていませんでしたが、
今日、3月10日にこうして過去に思いをはせられて良かったです。
もったいないかあさんに感謝!v-421
なのたん |  2008.03.10(月) 12:42 |  URL |  【コメント編集】

♪Yuki様

コメントありがとうございます。
また、Yukiさんのブログで紹介してくださるとのこと、光栄です!

縁あって、私の元にやってきたはさみたち。これからも大切にしてゆきたいと
思います。いつかHenckel社に行く機会があったら、このはさみを
修理してくださったマイスターに(お名前もわかっているので)、直接会って
お礼を言いたいな〜・・・。
なんだかウルルン滞在記みたいですが・・・。

きっとどなたにも大切な思いのこめられたお道具があると思いますよe-420| 。
なのたん |  2008.03.10(月) 12:37 |  URL |  【コメント編集】

♪millefleursさま

初コメントありがとうございますv-353

いつもはこんなしみじみした話を載せてはいないのですが、
milefleursさんにこうしてコメントいただけたので、書いた甲斐がありました。
物に携わっていると、道具は本当に大切ですが、それが高価であるなしに
関わらず、思い入れで価値がでてきますよね・・・。

そういう気持ちが作品にも表れるように、道具をもっといつくしもう、と思いました。

私も遊びにいきますね。これからもコメント、よろしくお願いいたしますe-68
なのたん |  2008.03.10(月) 12:32 |  URL |  【コメント編集】

♪きょん様

ドイツの方の職人魂に本当に感謝しています。

日本の代理店では、電話にでた女性が何を言っても「無理ですね〜」の
一点張りだったので、そこで奮起してドイツに問い合わせたのが良かったのかもしれません。今となってはその女性に感謝?です。

こういう話はきょんさんの周りにはたくさんありそうな・・・v-238
なのたん |  2008.03.10(月) 12:27 |  URL |  【コメント編集】

なのたんさんこんにちは^^
とってもステキなお話で感激しました。
明治生まれのおじい様が大切に日本に持ち帰られたというお話もステキですが、なのたんさんのもとに来たこのはさみを修理をしたいというお気持ち。それらのことが、ヘンケル社の心を打たれたのだと思います。
このはさみもなのたんさんのところに来て、本当に幸せですね。
ぷくぷく |  2008.03.10(月) 11:15 |  URL |  【コメント編集】

なのたんさんの優しいお心が、色んなものを繋いで、
こんなステキなストーリーを展開させてしまったのですね。
感動です。。。。。。

子ウサギ |  2008.03.10(月) 10:34 |  URL |  【コメント編集】

♪職人魂!

このまえ、はさみを見たとき、そんな話が隠れているとは思いませんでしたよ。
道具好き、特にはさみの好きな私にはじ〜んときました。

今日は東京大空襲のあった日ですが、
そんな戦争もくぐりぬけてきた道具はすごい!です。

いつものお針箱ブログでなくロハスブログのほうで
私も祖父から来た道具の話を書きました。
もちろんなのたんさんのこの記事も紹介させていただいてます。
もったいないかあさん |  2008.03.10(月) 10:33 |  URL |  【コメント編集】

なんと素敵なお話なのでしょう。私も涙がほろりとしてしまいました。
時を越え、ものを通して精神が受け継がれていくことに感動し、また、なのたんさんの思いとヘンケル社の思いが生み出したとても素敵な出来事に本当に感動しました。私のブログからこのお話にリンクするように紹介させてください。
この精神、私も見習いたいと思いました。

こうして、ブログを通してとても素敵な生き方に触れることができること、とてもうれしく思います。
Yuki |  2008.03.10(月) 09:27 |  URL |  【コメント編集】

なのたんさん、初めまして。きょんさんのところから流れてまいりました。少し前から素敵なブログだな、と覗かせていただいてました。

そして今日、私もきょんさんと同じ気持ち・・・思わず涙が溢れて、今回は思い切ってコメントさせていただこうと。
でもまだ胸がいっぱいで・・・言葉になりません。
おじいさまの鋏、これからもずっとずっと大切にお使いになって、いつか息子さんにも受け継いでいかれるのでしょうね。

私も花に携わるものとして鋏は無くてはならない道具。まだそんなに高価なものは使っていませんが、それでも一年に何度か京都で研ぎ直してもらい、大切に使っています。
道具を大切にする心、それは目に見えないものを大切にする心、だと
信じています。
今朝は素敵な感動からスタートできました。お天気よくないけれど
良い一日になりそうです。ありがとございます。

初めてなのに長くなってしまいごめんなさい。

millefleurs |  2008.03.10(月) 08:23 |  URL |  【コメント編集】

まるでドラマの1シーンのよう...
ジーンときてしまいました。(ほろり涙)
まずはなのたんさんの行動力に、脱帽☆
そして一クライアントの気持ちにこたえた、ヘンケル社は
ドイツ在住者として誇りに思います。

一つの物を大切に受け継いでいく心...
使い捨ての安物が出回る世の中、こういう心を大切に
したいですよね。
寂しい現実ですが、ドイツでは年々マイスターが減少しているとか...

カルトナージュで作られた鋏ケースも、ぴったりと合っていて
素敵です。
早速主人にも、この話をしてあげよう。
きょん |  2008.03.09(日) 23:21 |  URL |  【コメント編集】

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